平成18年度 北光学園事業報告書

 今日、社会的養護の実践現場においては、児童虐待問題や軽度の発達障害など子どもが抱える問題は、多岐・多様となっている。
国においては、児童福祉法や少子化対策、虐待防止などに関する法整備、制度改正が取り組まれてきたところである。しかし、今日においてはさらに進み、児童虐待と要保護児童の増加には歯止めがかからない現実を突きつてつけられている。
、また、我が国は家庭、福祉の分野で国際比較のおいて、公的支出がもっとも低いレベルであるとの報告もある。
 児童養護の現場では混迷と苦悩が深刻化しているが、北光学園においても職員の献身的の努力によって子どもの権利擁護を基本としての健全な育成、自立支援のため最善のケアに努めるとともに計画された事業を遂行してきたところである。
 平成18年度は、国の求めている単位の小規模化、ケアの個別化の充実に向け、実践に努めてきた。具体的には本園の「倫理綱領」や「北海道児童養護施設サービス評価基準」を基本として共通認識に立った倫理観を確立し、個々の児童については、年齢や発達段階にあった「自立支援計画」を策定し、年2回見直しながら、適切な養育援助に努め、将来社会の一員として自立していけるよう支援してきた。
 一方では、高校生による万引き行為や無断外出・行方不明など児童の問題行動もあったが、関係機関との連携により適切に対処してきた。本園は児童養護施設関係者や道、支庁、児童相談所における実践評価は高く、それだけに養育困難な児童が増えてきているが、社会的な使命に応えるため指導員や保育士などの指導力向上を図りながら職員一丸となって事業を推進している。
 地域小規模児童養護施設は、平成15年10月1日に開設し、90%以上の入所率という条件を確保し、継続して実施することができた。家庭的雰囲気の中でケアの個別化を図り、一人一人の健全な育成に努めているところである。
 予算の執行については、被虐待児個別対応職員、ファミリーソーシャルワーカー、被虐待児受入加算、小規模ケア職員、心理療法担当職員加算額を加え、また、無駄遣いの節約に努めたが、施設整備藤積立金1,027,950円、人件費積立金800,000円を取り崩す結果となり、当期資金収支残高63,734円となった。
 地域小規模児童養護施設(きずなホーム)においても当期資金収支残高184,232円を計上した。児童家庭支援センターオホーツクにおいても健全な予算執行ができ、当期資金収支残高131,631円となった。児童家庭支援センターの場合、残高が生じた時には道へ返納することになっており、この金額は返納することになる。
 児童家庭支援センター事業は、年間482件相談実績があり、年々増加傾向にある。地域子育て支援センター事業として地域の子育てに大きく寄与している。